
「これからは人材育成が重要だ」
「社員の考える力を養わなければならない」
新聞やニュースでこんな言葉を見るたびに、多くの中小企業経営者はこう思っているはずです。
「そんなことは分かってる。でも、現場を回すのに精一杯で、教育にかける時間もお金もないんだ!」
AIやIoTが進化し、変化の激しい時代において、「言われたことだけやる社員」では会社が生き残れないことは、痛いほど分かっている。
しかし、プレイングマネージャーが多い中小企業において、大手企業のような研修制度を整えるのは不可能です。
では、諦めるしかないのでしょうか?
いいえ、違います。
実は、「特別な時間をとらず」「お金もかけず」、日々の業務の中で社員を劇的に成長させる方法があります。
それが、弊社が提唱する「人材育成としての5S活動」です。
👉5Sとは?職場改善の基本を徹底解説!目的・進め方・成功事例をわかりやすく紹介
なぜ、中小企業の「人材育成」は失敗するのか?
多くの会社がやりがちな間違いが、「人材育成=外部セミナーや座学」だと思ってしまうことです。
高いお金を払ってマナー研修やリーダーシップ研修に行かせても、帰ってきたら3日で元の木阿弥。
これは、「現場の実践」と切り離されているからです。
中小企業に必要な人材育成とは、難しい経営理論を学ばせることではありません。
現場で直面するトラブルに対し、「自分で考え、判断し、行動できる力」を養うことです。
5S活動は「考える力」を育てる最強のOJT
5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を、「ただの片付け」だと思っていませんか?
実は、5S活動のプロセスそのものが、ビジネスに必要な能力を鍛えるトレーニングになっています。
1. 「決断力」が育つ(整理)
整理とは「要るモノと要らないモノを分ける」こと。
これは、仕事における「優先順位の決定」そのものです。
「これはいつ使う?」「本当に必要か?」と自問自答し、捨てる決断を繰り返すことで、業務上の決断スピードも速くなります。
2. 「問題解決能力」が育つ(整頓)
整頓とは「使いやすいように配置する」こと。
「なぜここに置くと不便なのか?」「どうすれば歩かずに取れるか?」
これは、「業務の効率化(カイゼン)」を考える訓練です。
現場の不便を解消する経験を積むことで、社員は「もっと良くするにはどうすればいいか?」と自発的に考えるようになります。
3. 「リーダーシップ」が育つ(躾)
5Sは全員でルールを決め、それを守り合います。
「このルールは守りにくいから変えよう」「新人が守れる仕組みを作ろう」
こうした話し合いを通じて、組織を動かす「コミュニケーション能力」や「リーダーシップ」が現場で自然と養われます。
結論:仕事は「仕事の中」でしか覚えられない
「いつか余裕ができたら教育しよう」と考えていては、いつまで経っても人材は育ちません。
また、現場を離れて座学をさせても、現場力は身につきません。
今の仕事をしながら、今の現場を良くしながら、同時に人も育つ。
一石三鳥の効果があるのが「5S活動」です。
弊社のお客様でも、「5Sを始めたら、無口だった職人が改善案を出すようになった」「若手が自発的に会議を仕切り始めた」という事例が後を絶ちません。
御社も、高額なセミナーに社員を送り出す前に、まずは足元の「5S」から人材育成を始めてみませんか?
「掃除」だと思って侮っていた活動が、実は最強の「社員研修」だったことに気づくはずです。