5S活動 ブログ「5S活動ラボ」

5Sとは?職場改善の基本を徹底解説!目的・進め方・成功事例をわかりやすく紹介

はじめに:トヨタ発祥の「5S活動」で職場を変える

現代の企業や組織が抱える課題には、業務効率の低下や安全性の欠如、社員育成や社内コミュニケーションの問題など様々です。これらを解決するための強力なアプローチとして注目されているのが「5S活動」です。

5S活動とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」という5つの柱を基に、職場環境を改善する日本発祥の手法です。

特に、トヨタ生産方式を通じて製造業や工場で広く実践されてきましたが、近年ではオフィスや病院といった異業種の現場にも応用されています。

 

5S活動は、単なる環境整備にとどまらず、組織風土や働く人々の意識を変える力を持っています。

本記事では、5S活動の概要や進め方を解説するとともに、目標設定や事例を交えながら、製造業をはじめとするさまざまな業界での活用方法を紹介します。

活動の目標設定や継続のポイントについても解説し、貴社が目指す「理想の職場」を実現するための道筋をお伝えします。

5S活動の概要:トヨタ方式から広がった職場改善の基本

「5S活動」とは、整理、整頓、清掃、清潔、躾の5つの頭文字をとった職場改善の手法です。

それぞれの要素には、職場環境を最適化し、従業員の生産性を向上させるための具体的な意味と目的があります。

5S活動の意味

  • 整理
    要るモノと、要らないモノを分類し、要らないものを捨てること
  • 整頓
    要るモノを、誰にでも、すぐに取り出せるようにすること
  • 清掃
    ゴミや汚れがない綺麗な状態を維持すること
  • 清潔
    3S(整理・整頓・整頓)が維持されている状態
  • しつけ
    3Sが定着し、決められたことを守れる風土になっている状態

5S活動の起源と歴史

5S活動は、戦後の日本で発展した生産性向上のための手法として始まりました。それがトヨタによって体系化され、そこから製造業全体に広がりました。

その後、国際的に評価され、アメリカやヨーロッパの工場だけでなく、オフィスや医療、教育分野、さらにはデジタル環境にまで応用されています。

歴史的に見ても、この活動は単なる整理整頓の枠を超え、組織全体の文化を変革するツールとして進化してきました。

詳しくはこちら

5Sは仕事の基本!トヨタ流で学ぶ職場改善の基本と効果的な実践法
5Sは仕事の基本!トヨタ流で学ぶ職場改善の基本と効果的な実践法

「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」の5つを基本とする5S活動は、職場環境を効率化し、生産性を向上させるシンプルかつ強力な手法です。 日本が生んだこの改善活動は、特にトヨタが実践することで ...

続きを見る

 

5S活動の目的

5S活動の目的は、単に職場をきれいにすることではありません。安全・効率・快適という三つの基本を実現し、働きやすい環境を整えることにあります。

  • 安全: 整理整頓や清掃で事故やケガを防ぎ、安心して働ける環境をつくる
  • 効率: 探すムダや動作のムダをなくし、生産性を高める
  • 快適: 物理的にも心理的にも働きやすい職場を整える

ただし、こうした目的が社員に共有されていなければ、活動は長続きしません。5Sを「片付け」や「美化活動」として捉えてしまうと、負担感だけが残り、モチベーションは下がってしまいます。なぜ自分たちにとって必要なのか、その意義を理解してもらうことが継続の第一歩です。

5Sの目的をしっかり共有することで、活動は単なる片付けではなく、職場を根本から改善する取り組みに変わります。詳しい解説は、下記のページをご覧ください。

5S活動の目的をさらに詳しく見る

5S活動の目的_アイキャッチ
5S活動の目的とは|安全・効率・快適、そして躾で職場を変える

5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾の頭文字を取った、職場改善の基本活動です。5Sとは何か?はこちらの記事で解説しています。 本記事では、その中でも多くの企業が最初に直面する疑問である「5S活動の目的 ...

続きを見る

 

5Sの本質「ルールを守る風土」

5S活動の目的である「安全」「効率的」「快適」な職場は、自分たちでルールを決め、それを確実に守り続けることで初めて実現します。このルールがなければ、5Sの成果を達成することはできません。

5S活動は「ルールを決める活動」であり、「そのルールを守り続ける活動」です。そして、5Sの最終段階である「躾」は、社内の誰もが意識しなくても、注意されることなく、自然とルールを守れる状態を指します。これは、立場や役職に関係なく、全社員が無意識にルールを徹底できている状態です。

この状態を実現するためには、自分たちでルールを定め、それをしっかり守り続けることが不可欠です。これこそが、5S活動の本質と言えるでしょう。

5Sを会社に浸透、定着させるためには、「どれだけ良いルールを作れるか」「どれだけルールを守る仕組みを作れるか」が重要なポイントになります。そのためには、社員同士が話し合い、考え、アイデアを出し合い、トライ&エラーを繰り返していく姿勢が求められます。

 

5S活動の効果とメリット:成功事例から学ぶ職場改善

5S活動に取り組むことで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、具体的な効果とメリットをいくつかの観点から解説します。

具体的な効果とメリット

1. ムダなスペースの削減

整理を徹底することで、不要な物品を排除し、スペースを効率的に活用できます。職場には何年も使われていない不要なモノが多く眠っています。それらのスペースを開放することで、作業ラインの拡張や設備の効率化が可能です。オフィス環境でも、不要な書類やデータの整理は効率化につながります。

2. ムダなコストの削減

モノを減らしたり、消耗品や在庫品を適正管理すことで場所代、管理費、人件費などのコストを削減できます。またキャッシュフロー悪化も防ぐことができます。そして、コストを意識した取り組みによって、社員も普段からコストを考えた働き方をするようになります。

3. 探す時間の削減

しっかりと定位置管理することで、必要な物品や資料を迅速に見つけられるようになり、「探す」という最も生産性の低い行動を無くすことができます。オフィス環境でも、書類やデータを探す時間がなくなり、集中力も向上します。

4. 業務効率の向上

整頓で定位置や定量を決め、表示することで、探し物や無駄な動作がなくなり作業効率が向上します。また、ルールや仕組みづくりを徹底することで、多くのムダがなくなり生産性が向上します。

5. 品質・サービスの向上

5S活動により業務が標準化されると、作業がスムーズかつ正確に進むようになります。その結果、品質やサービスにムラがなくなり、ミスや不良品を未然に防ぐことが可能です。これにより納期が短縮され、お客様の満足度向上につながります。

6. 安全性の確保

整理整頓された職場では、工具や材料の散乱による事故リスクが減り、清潔な環境は感染リスクを低減します。安全なルールや配置、日々の点検の習慣化が労災事故の防止に繋がります。特に危険な作業現場や医療現場では、この効果が非常に重要です。

7.会社の評価が上がる

整理・整頓・清掃が徹底された職場は、訪問したお客様の印象が良くなり、会社の評価が向上します。取引先の評価基準として5Sの取り組みが重視される場合もあり、契約率や受注率の向上につながることがあります。

こちらもCHECK

トヨタ生産方式の基本「7つのムダ」解説
トヨタ生産方式の基本『7つのムダ』を解説!覚え方と優先順位

トヨタ生産方式(Toyota Production System, TPS)は、ムダを見える化し、徹底的に排除することを目的とした考え方です。このムダは「7つのムダ」として定義されています。 「乾いた ...

続きを見る

ボトムアップで進める5S活動の効果

5S活動は、従来のトップダウン型ではなく、社員一人ひとりが主体的に取り組む「ボトムアップ型」で進めることで、社員自身の成長や組織文化の向上につながります。以下に、その主な効果を解説します。

社員の気づく力を育てる

現場の社員が主体となって5S活動に取り組むことで、日常業務の中で社員が問題点を自ら見つけ出し、解決策を考える機会が増えます。このプロセスを通じて、社員一人ひとりの「気づく力」と「考える力」が育まれ、全員が問題解決に取り組む文化が形成されます。

従業員間の連携やチームワークを強化

社員主導で、問題点や改善策を繰り返しディスカッションすることで、従業員間のコミュニケーションが活発化し、チームワークが強化されます。また、部署を越えた意見交換の機会を設けることで、部署間の連携も深まり、組織全体がより強固で一体感のある体制へと成長していきます。

会社の風土を改善できる

社員の意見やアイデアで進める5S活動は、「やらされている」という受動的な感覚がなくなり、自主的な活動に変わっていきます。その結果、明るく前向きな組織風土が生まれ、従業員のモチベーションが向上するとともに、離職率の低下にもつながります。

 

5S活動の課題

5S活動は効果的な職場改善の手法である一方、実践においてはいくつかの課題が存在します。これらの課題を認識し、適切な対策を講じることで、活動の成功率を高めることができます。

1. 全員を巻き込む難しさ

5S活動を実施する際、社員全員の賛同を得ることが難しい場合があります。特に製造業の現場では、「現状で問題がない」と考える従業員や、新しい取り組みに抵抗を感じる層が存在します。また、忙しい現場では、5S活動のための時間を確保することが難しいと感じ、後回しにされることもあります。

対策:

  • 活動の目的とメリットを丁寧に説明する:5Sの目的や具体的な効果を従業員に丁寧に伝える。
  • 小さな成功体験を積み重ねる:小規模な活動からコツコツ進め、効果を実感してもらうことで参加を促す。

2. マンネリ化や形骸化による継続の難しさ

5S活動は一度実施すれば終わりではなく、企業が続く限り継続していく活動です。しかし、日常業務が忙しくなると後回しにされ、「形だけの活動」なり、いつの間にか忘れ去られてしまうということがよくあります。またある程度活動を進めた企業でも、マンネリ化によって活動が停滞してしまうことがあります。

対策:

  • 成果を見える化する:進捗状況や具体的な改善の効果を写真やデータで共有し、達成感を感じられるようにする。
  • PDCAサイクルを定期的に回す:定期的に活動を振り返り、次の課題を設定して改善を続ける仕組みを整える。
  • インセンティブ制度の導入: 活動に積極的に取り組んだチームや個人を評価や表彰する。

3. 企業風土改革の難しさ

課題

「風通しの悪さ」や「上下関係の硬直性」といった企業風土が、5S活動を阻む大きな要因となることがあります。社員が自由に意見を言えない職場では「指示待ちが多い」組織風土が根づいており、活動が定着しにくいという課題があります。このような職場では、従業員が主体的に動く意識を持つことが難しくなります。

解決策

  • ボトムアップのアプローチ: 従業員が自ら課題を見つけ、解決策を提案できるような仕組みを導入します。
  • コミュニケーションの場を増やす: 定期的なミーティングや意見交換の場を設け、従業員の声を積極的に取り入れます。
  • 経営層の積極的な関与:活動を社員だけに任せず、経営陣が積極的に参加することで、全社員が参加しやすい環境を整える。

これらの課題に対処することで、5S活動を単なる一時的な取り組みではなく、組織文化の一部として定着させることが可能になります。

 

5S活動を成功に導く運営体制とは

5S活動を効果的に進めるためには、組織全体で一体感を持って、計画的に進めることが重要です。ここでは、工場、オフィス、病院などさまざまな業界で応用できる5S活動の進め方を解説します。

1. 活動の運営体制づくり

5S活動は、全員参加が基本です。そのためには、明確な運営体制を整えることが必要です。

小グループの編成

4~6人のチームを作り、役職関係なく全員が必ずどこかのチームに参加するようにし、各チームから一人リーダーを選出します。

リーダーの選出

リーダーはメンバーの意見を引き出し、活動の計画をまとめる役割を担います。

 

こちらもCHECK

なぜ5S活動が続かない?継続しない理由と定着させる仕組みとは
なぜ5S活動が続かない?継続しない理由と定着させる仕組みとは

5S活動が続かない企業が、つまずいている本当の理由とは? 「5Sを導入したけれど、結局長続きしなかった」 「最初は取り組んでいたけど、気づけばフェードアウトしていた」 そんな声を、私たちはこれまで数多 ...

続きを見る

2. 長期目標と短期目標の設定

5S活動を始める前に、職場全体で共有する目標を設定し、スローガンとして掲げましょう。

長期目標

5S活動によってどんな会社にしたいのかという、会社全体で共有する大きな目標を掲げます。

例:「チームワークとコミュニケーションを大切にしお互いに信頼しあえる職場づくり」

短期目標

チームごとに、1年間で達成する具体的な目標を掲げます。測定できるように数値化できる目標が理想です。

例:「残業時間を20%削減する」「経常利益30%UP」

こちらもCHECK

5Sのスローガン
5S活動のスローガン/標語の例と5Sスローガン・目標の作り方

5S活動を始める際に、「スローガン/標語」を決めることがよくあります。 また「スローガン考えろ」「5Sの標語を考えろ」と、トップダウンで部下や5S委員会、リーダーに考えさせることも多いと思います。 & ...

続きを見る

 

5S活動の進め方

5S活動は、それぞれのステップを順番に進めることが大切です。

1. 整理

整理は、5S活動の第一ステップであり、要るモノ・要らないモノ・急がないモノを見極めて、不要なモノを徹底的に排除する活動です。

整理ができていない状態では、いくら整頓しても本当に使いやすい職場にはなりません。

 

まずは「赤札作戦」を使って、不要かもしれないモノを“見える化”し、処分の判断を進めましょう。

判断基準やルールを職場で話し合いながら整えることが、整理の定着と継続のカギになります。

詳しくはこちらも

5Sの整理とは?アイキャッチ
5Sの整理とは?目的・基準・進め方まで失敗しないコツを徹底解説

5S活動(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)の中で、最初のステップにあたるのが「整理」。 本記事では、5Sの中でも「整理」に特化し、その目的・基準・進め方・よくある失敗と対策までをわかりやすく解説します ...

続きを見る

2. 整頓

整頓は5Sの2つ目のステップで、必要なモノを、誰でもすぐに使えて、戻せる状態に整えることを指します。

単にきれいに並べることではなく、「使いやすさ」を意識した配置がポイントになります。

物の置き場所・数量・使い方を明確にし、誰が見ても分かるように表示しましょう。

 

代表的な手法には「3定(定位・定品・定量)」があります。

これを徹底することで、探すムダをなくし、作業効率が大きく向上します。

詳しくはこちら

5Sの整頓とは?アイキャッチ
5Sの整頓とは?意味・3定から進め方・事例・失敗対策まで徹底解説

5S活動の中で「整頓」は、整理の次に取り組むステップです。 単にモノを見た目よく並べるのではなく、「必要なモノを、誰でもすぐに取り出せる状態」にすることが整頓の目的です。   現場では「どこ ...

続きを見る

3. 清掃

清掃は5S活動の3つ目のステップで、誰がやっても同じ基準で“きれいな状態”を維持するための活動です。

ゴミや汚れを取り除くだけでなく、異常の早期発見につながる大切なステップでもあります。

 

ルール(清掃の範囲や頻度、担当など)を明確にし、チェックリストなどを使って全員で継続的に取り組める仕組みを作りましょう。

こちらもCHECK

5Sの清掃とは?アイキャッチ
5Sの清掃とは?意味・目的・効果・ルール化のポイントを徹底解説

「5S清掃」と聞くと、「ただの掃除でしょ?」と思う方も多いかもしれません。 しかし、5S活動における清掃は、単なる掃除や片付けとはまったく違います。 清掃は、職場を安全で働きやすい環境に変え、会社全体 ...

続きを見る

4. 清潔

清潔は5S活動の4つ目のステップで、整理・整頓・清掃の3Sが維持・徹底されている状態を指します。

そのためには、ルールや基準を標準化し、職場全体が自然に実行できるように仕組み化することがポイントです。

たとえば、工具の形跡管理や発注カード方式など、誰がやっても同じ基準で管理できる仕組みづくりが効果的です。

清潔は一人だけでは実現できません。

全員が共通のルールを守れるよう、しっかりと話し合う時間を持ちましょう。

こちらもCHECK

5Sの清潔とは?アイキャッチ
5Sの「清潔」とは?清掃との違い・目的・事例までわかりやすく解説

5S活動の中で「清掃」と「清潔」はよく混同されがちです。 しかし、この二つの違いを正しく理解しなければ、せっかくの5Sも形だけで終わってしまい、本来の効果を得ることはできません。   清潔と ...

続きを見る

5. 躾(しつけ)

躾は5S活動の最後のステップで、整理・整頓・清掃・清潔を続けてきた取り組みが、職場の文化として自然に根づいた状態を指します。

 

厳しくルールを守らせることではなく、社員一人ひとりが自主的に行動し、風土として定着していることが重要です。

躾が定着すると、小さな異常や違和感にすぐに気づき、改善につなげられる組織風土が育ちます。

こちらもCHECK

5Sしつけ本当の意味
5Sの「躾」に違和感?誤解されがちな「躾」の本当の意味とは

5S活動は「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の5つのステップで構成されます。 その中で最後の「躾(しつけ)」は、言葉の響きから誤解されやすい要素です。   「しつけ」と聞くと、子どもや部下に厳し ...

続きを見る

 

4. 見える化と成果測定

活動の成果を継続的に把握するためには、進捗を「見える化」する仕組みが重要です。

活動報告書の作成

活動内容や成果を、ビフォーアフターの写真を添えて記録します。5Sの成果は一歩ずつの積み重ねで目に見えにくい部分もありますが、記録をしっかりと残しておくことで、振り返った際にその効果を改めて実感することができます。

活動進捗の共有

活動の成果は、掲示板への掲載や月次ミーティングでの発表を通じて共有します。この取り組みにより、アイデアの共有が進み、他部署への良い刺激を与えることが可能になります。

5. PDCAサイクルの活用

計画(Plan)、実行(Do)、確認(Check)、改善(Act)のサイクルを回すことが、5S活動を継続的に行うための重要なポイントです。それぞれのステップを以下のように進めます。

  • Plan
    職場の問題を自分たちで見つけ出し、改善策を話し合い、1カ月間の活動計画を立てます。
  • Do
    立てた計画に基づいて活動を実施します。
  • Check
    活動開始から1か月後に振り返りを行い、結果を評価します。計画通り進められなかった場合は、その原因についても検討します。
  • Action
    振り返りで得た結果を基に改善策を考え、次の計画を立てて次のサイクルにつなげます。

 

より詳しい実践方法については、こちらのリンクをご覧ください。

こちらもCHECK

効果的な5S活動の進め方
効果的な5S活動の進め方!ゼロから簡単に取り組める5Sのステップ

「5S活動の進め方がわからない」「5S活動を導入したけれど定着しない」――こうしたお悩みをよく耳にします。 その理由として最も多いのが、「そもそもやり方がわからない」という点です。 そこで今回は、弊社 ...

続きを見る

FAQ(5S活動に関するよくある質問)

ここでは、5S活動に関するよくある質問に答える形で、疑問や不安を解消します。これから始める方や、既に取り組んでいる方にも役立つ情報をお届けします。

Q. 5S活動を始める際の注意点は?

5S活動を開始する際には、5Sとは何か、どういう目的の活動なのかを、全員でしっかり共有することが大切です。その上で、自分たちが5Sを使って会社をどのように改善したいのかを具体的に設定し、全員が共通の目標を共有するようにします。そして、少人数のグループ分けをし、グループごとに定期的に会議をしながら進めていってください。

Q. 5S活動を始めるのに初期費用はどのくらいかかりますか?

5S活動は、基本的に大きな設備投資を必要としない取り組みです。必要な費用としては、ラベルや整理用の棚などのツールや備品代、場合によっては不要物の廃棄処理費用が挙げられます。ただし、整頓のための工夫次第では、コストをかけずに実施することも可能です。職場のアイデアを活かし、現状の資源を有効活用することで費用を最小限に抑えることができます。

Q. 5S活動の効果が見えるまでにどれくらいかかりますか?

効果が見えるまでの期間は、活動の規模や職場環境によって異なります。「整理」や「整頓」による短期的な改善(スペース確保や探し物時間の削減など)は、1~2週間程度で実感できる場合が多いです。一方、社員の自主性や組織風土の変革などの長期的な成果は、数か月から1年以上をかけて徐々に現れることが一般的です。

Q. 5S活動リーダーはどのように選べば良いですか?

5S活動のリーダーには、役職者よりも、今後の成長が期待される若手社員を任命するのがおすすめです。活動を通じてリーダーシップを育むことで、社員の成長を促す絶好の機会となります。弊社の研修でも、5Sリーダーを経験した後、役職や現場のリーダーとして活躍するようになった事例が多く見られます。

Q. 5S活動はどのくらいの頻度で実施するのが良いですか?

5S活動は短い時間でも毎日行うのが理想です。日々の継続が習慣化を促し、組織全体の風土として根付いていきます。また、月に一度はパトロールや話し合いの場を設け、活動の進捗を確認しつつPDCAサイクルを回していくことが重要です。これにより、活動を継続的に改善し、より効果的に進めることができます。

Q.5S活動がマンネリ化はどのように対策すれば良いですか?

5S活動が「目的」ではなく「手段」であることを忘れないようにすることが重要です。目的を見失うとマンネリ化が起こりやすくなるため、具体的な目標を設定し、定期的に見直すことを心掛けましょう。
また、月に一度、社員全員でチェックシートを使い職場を観察し、問題点を洗い出すことで「気づく力」を養い続けることができます。さらに、活動の内容や進捗を記録し、全社員で共有することも重要です。他部署の取り組みを参考にすることで、アイデアが刺激となり、活動への新鮮さを保つことができます。

Q. 小規模企業や異業種でも実践可能ですか?

5S活動は、小規模企業や製造業以外の業種でも十分に効果を発揮します。5S活動の本質は、ルールを決めて、決めたことをみんなで守ることです。規模や業種に関係なく、原則を守りながらコツコツ取り組むことで効果を最大化できます。継続のポイントは、全員が目標を共有し、小さな成功体験を積み重ねることです。

Q. デジタル環境における5S活動の具体例はありますか?

デジタル環境における5S活動の本質は、ルールを決め、それを全員で守ることにあります。具体的には、フォルダ構造の整理、ファイル名やフォルダ名の命名規則、不要なファイルを削除する基準などを話し合いで決めることが挙げられます。これにより、業務効率の向上や情報管理コストの削減が期待できます。また、クラウドツールやプロジェクト管理ソフトを活用することで、データ管理を効率化することも5S活動の一環です。

こちらもCHECK

パソコン整理完全ガイド!5Sで効率的なデスクトップ・フォルダ管理
パソコン整理完全ガイド!5Sで効率的なデスクトップ・フォルダ管理

デスクトップが散らかり、必要なデータを探すのに時間がかかっていませんか?   そんな状況を解決するためにおすすめなのが『5S』です。 『整理』『整頓』『清掃』『清潔』『躾』の5ステップを活用 ...

続きを見る

Q. 5S活動は外部コンサルタントの支援が必要ですか?

外部コンサルタントの支援は、5S活動を定着させ、その効果を高める上で有効な手段ですが、必須ではありません。職場内でコミュニケーションが良好で、社員が主体的に行動できる環境が整っていれば、自力で一定の成果を得ることも可能です。しかし、活動が形骸化したり、継続が難しい場合、また全員参加が困難な場合には、専門家のアドバイスを受けるのも一つの選択肢です。

まとめ

5S活動の本質とその可能性

5S活動は、単なる職場の整理整頓の枠を超え、組織の文化や風土を変革する強力なツールです。トヨタをはじめとする製造業での成功事例に象徴されるように、効率性や安全性、快適性を追求するための実践的な手法として発展してきました。現在では、オフィスや病院、さらにはデジタル環境にまで応用され、多様な業界で成果を挙げています。

5S活動を成功させる鍵は、社員全員がその目的を理解し、自ら主体的に取り組むことです。全員参加型の取り組みが、業務効率の向上や従業員のモチベーションアップ、さらには企業全体の成長へとつながります。

実践の第一歩

これまでに紹介した5S活動の進め方や事例を参考にしながら、以下のステップを実践することで、効果的な5S活動をスタートさせましょう。

明確な目標設定

達成すべき具体的な短期目標と長期目標を設定し、職場全体で共有します。全員が同じ方向を目指すことで、一体感を持った取り組みが可能になります。

小規模な取り組みから開始

部署やチーム単位で話し合い、小さな改善からスタートします。小さな成功体験を積み重ね、それを全社に展開することで、より大きな成果を生み出せます。

定期的な振り返りと改善

チーム単位でPDCAサイクルを活用し、活動を見直しながら進めます。定期的な振り返りは、継続性を確保し、さらなる改善を促進します。

より詳しい実践方法については、こちらのリンクをご覧ください。

こちらもCHECK

効果的な5S活動の進め方
効果的な5S活動の進め方!ゼロから簡単に取り組める5Sのステップ

「5S活動の進め方がわからない」「5S活動を導入したけれど定着しない」――こうしたお悩みをよく耳にします。 その理由として最も多いのが、「そもそもやり方がわからない」という点です。 そこで今回は、弊社 ...

続きを見る

 

最後に

5S活動は一時的な取り組みではなく、企業が存続する限り継続すべき活動です。その取り組みは、職場環境の改善に留まらず、従業員の成長や顧客満足度の向上をもたらし、企業の長期的な発展を支える礎となります。

まずは小さな一歩を踏み出し、5S活動を通じて「理想の職場づくり」を実現してください。

 

  • この記事を書いた人

上石 政代(Smile System Support 代表)

5S活動の社内定着を支援するコンサルタント・講師。
これまでに医療・介護・製造業などの現場でのべ1000名以上に研修・講演を実施し、5Sを“現場文化として根づかせる”実践支援を行っている。
現在までに、5Sによる組織風土改善支援に携わった企業は100社を超える。
Smile System Support代表・上石政代について

人気記事ランキング

5S活動改善アイデア事例集 1

5S活動は、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5つのステップを通じて、職場環境を改善し、生産性を向上させる活動です。 しかし、活動を継続する中で、どの会社でも必ず直面するのが「ネタ切れ」「マンネ ...

効果的な5S活動の進め方 2

「5S活動の進め方がわからない」「5S活動を導入したけれど定着しない」――こうしたお悩みをよく耳にします。 その理由として最も多いのが、「そもそもやり方がわからない」という点です。 そこで今回は、弊社 ...

3S活動とは?意味や目的、効果、進め方と事例 3

3S活動とは、「整理」「整頓」「清掃」の活動のこと。 読み方は「さんえす」、英語では「3S methodology」と呼ばれています。 3Sは自動車のトヨタで体系化された「トヨタ式生産方式」の取り組み ...

5S改善事例_オフィス編 4

5S改善事例を見たいというご要望に応え、弊社が5S研修をさせていただいた企業様の事例を画像と共にご紹介します。 【5S活動改善アイデア事例集】トップぺージはこちら   5S改善アイデア事例集 ...

5S改善事例_工場編1 5

5S改善事例を見たいというご要望に応え、弊社が5S研修をさせていただいた企業様の事例を画像と共にご紹介します。 【5S活動改善アイデア事例集】トップぺージはこちら   今回は工場編①です。 ...

製造業のためのKPIマネージメント徹底ガイド 6

  製造業における企業成長を目指すなら、KPIの設定だけで満足してはいけません。KPIは「見える化」と「レビュー」による継続的な管理があって初めてその効果を発揮します。 本記事では、製造業の ...

-5S活動, ブログ「5S活動ラボ」